2009年3月1日日曜日

♪ 『戴冠ミサ』の部屋 ♪ その⑤

~『Credo』~

『クレド』はラテン語で『信じる』という意味です。
『信仰宣言』等と言われ、神を信仰する喜びを表現しています。
曲がとても長くて、歌詞も複雑、
合唱団にとりましては大変やりがい!のある曲です。
『信仰する喜びを表現』するためにはかなりの時間がかかるかも知れません。
でも、まっすぐで強固ではっきりとしていてという、
曲全体に感じられる何にも左右されないその真の強さは、本当に魅力的です。
同じハ長調でも、『キリエ』や『グローリア』とはまた違った決然としたしたものを感じます。
(合唱の出だし2小節は全パート、リズムも音も皆同じですね)
長文のためここでは紹介しきれませんが、日本語訳と楽譜とを一緒に眺めてみると、
曲名になっている1番大切なメッセージ、
『Credo(in)』が隠れている(省略されている)のが読み取れます。
そしてまたそのフルセンテンス、
『Credo in unum Deum』が
曲の最後の最後、アーメンコーラスの中に出てくるのもこの『クレド』だけです。
この現象はミサの典礼文にもありません。
先程と同様、典礼文と楽譜もまた一緒に眺めるとまた
新鮮な発見があり、歌うことへの励みになります。
豊かな表現にもきっとつながりますね。
『信じることの喜び』だなんて、とても親しみがわきませんか?




♪ 『戴冠ミサ』の部屋 ♪ その④

~『Gloria』~

『グローリア』はラテン語の『栄光』という意味です。
『栄光の賛歌』、または『大栄唱』、『天使の賛歌』等とも言われます。
『天には神に栄光、地には善意の人々に平安』で始まり、
神とキリストへの讃美と嘆願が続きます。
そして、『・・・栄光ありて、アーメン!』と結ばれる内容です。
このちょっとした内容を知るだけでも『キリエ』とは異なる、
荘厳かつ華麗な曲想が思い浮かんでくる気がします。
オーケストラの演奏も全くくもりのないハ長調のⅠの和音でスタート、
堂々とした雰囲気が大いに感じられますね。
とても壮麗で、自信にあふれているソリストと合唱、オーケストラの演奏が、
辻端先生がおっしゃった、『モーツァルトの1・2・3!の法則』にぴったりです。
また、越智先生のご指導の中には先生がおっしゃった『グローリア』のキーワードもあります。
曲をたどりながら越智先生のお言葉を拾うと、
『輝かしく、瑞々しく、時には温かく優しく柔らかく包み込むような・・・。
日本の歌舞伎役者が『ミエ』をきる様もあり、切迫の時も涙の時も・・・。
祈る気持ち、愛する気持ち、温かくうっとりと抱きしめられている・・・。』
となります。
凛とした中にも温かさが感じられる『グローリア』、素敵ですね。
なお
ヴィヴァルディやプーランク等、『グローリア』のみを独立した作品として作曲した例もあります。