2009年5月18日月曜日

♪ 『戴冠ミサ』の部屋 ♪ その⑧

~『Agnus Dei』~

平和を祈る歌、『平和の賛歌』です。
後年のオペラ『フィガロの結婚』の伯爵夫人のアリア、『美しき日はどこに?~Dove sono i bei momenti?~』と非常によく似た曲です。
弱音器を付けた弦楽の上に美しい旋律が流れます。
続いてあらわれるのは、ソリストの方々がおりなすうっとりする4重唱、
そしてそれはあの『キリエ』のメロディ!
越智先生がおっしゃった、『共にいる、一緒だよ』という、とても前向きな気持ちの詰まった曲『キリエ』の旋律に『平和の祈り~dona nobis pacem~』という歌詞が重なる・・・、
なんて素敵なんでしょう!
そしてソリストの4重唱からバトンを受けるのは、私達合唱団。
私達が歌い始める所には『spirito』と書かれています。
辻端先生もおっしゃいました。
『spirito!』、『意志をもって!』と・・・。
それは『祈りから実現』へと変化していくような、大きな力を感じるような気もします。
ゆらぐことのないこのまっすぐな気持ち『dona nobis pacem』を、私達の声『Voice』を通して正々堂々と自信を持って届けませんか?
地球上すべての人々へのメッセージで歌いあげる『戴冠ミサ』、
感動のフィナーレを。


2009年5月1日金曜日

♪ 『戴冠ミサ』の部屋 ♪ その⑦

~『Benedictus』~

『ベネディクトゥス』はラテン語で『幸いなるかな』という意味です。
短い賛歌で、普通『サンクトゥス』とあわせて1つの曲にまとめられることが多いです。
ミサ曲はミサ通常文に音楽をつけたもの、と以前お話させていただきましたが歴史的にいくつかの習慣があります。
時代により厳格になったり緩やかになったりしますが、現代の目から大まかに見れば、『ガイドライン』ととらえられるのかもしれません。
 

例えば『クレド』の『Descendit de caelis』を下降音型、『Ascendit in caelum』を上昇音型に、3日目によみがえりの『Ressurexit in tertia diae』を3重唱に、なども同類でわかりやすい表現ですね。
 

また『グローリア』は華麗に、『ベネディクトゥス』は静かで美しく、なども通例ですが、
これらは約束事というより歌詞の内容からの必然といえるでしょう。
 

言葉と音楽の結びつき、つながり・・・、
このことをいつも心で感じ、私達Voiceのミサ曲をより一層輝かせませんか?